「少しでも高く売りたい」というのは、売主様の共通の心理です。実は、この心理を悪用している不動産業者がいることをご存知でしょうか?まず、金額査定は、必ず他社より後に提出します。なぜなら、自分が他社より1円でも高い金額で提示し、とにかく「専任媒介契約」を結びたいからです。こういった業者は、どうせ売れない高値で預かっているので、ろくに広告や営業をせず、2、3ヶ月経った頃、「やはりこの金額では無理です、もう少し減額しましょう」と言い出し、やっと本腰を入れて販売活動を始めます。売却依頼を得ることが最優先と考えており、早期売却など、まったく考えてくれません。高いだけの査定には注意が必要です。
大手不動産業者についても注意が必要な場合があります。社内は営業マン同士の競争やノルマが厳しい環境ですから、どうしても「売上げ重視」の販売活動を強いられます。具体的には、「売れる物件しか売らない」、「面倒くさい物件、価格の安い(手数料の少ない)物件は後回し」という心理が、現実に働きます。逆に売れそうな物件については、自分で「売り」と「買い」のお客様を見つけたい、という欲から、担当者が情報を開示しない、というのも、現実にある話です。
「最初は希望価格で売り出して、売れなかったら買い取り保証付!」というフレーズを良く見かけますが、これも注意が必要です。最初から安い査定価格で買い取ることしか考えていませんので、仲介で販売している期間は、ろくに広告活動をせず、期限が来たら、仕方なく、希望価格の6割とか、7割程度で買い取られてしまいます。売主様もギリギリまで粘った挙句なので、いまさら他業者に依頼する余裕が無くなってしまいます。
ポイントとしては、当初提示された買取保証額が適正かどうか、販売活動をしっかり行ってくれる業者かどうかを確認する必要があります。
親戚や知り合い同士などの場合、仲介手数料がかからない個人間売買を行うケースも見受けられますが、不動産のプロが間に入らない場合は、トラブルになるケースも少なくないようです。知り合い同士の場合などは、言いたいことも言えなくなってしまうという事態にもなりかねません。
不動産業者に頼んだ場合も、しっかりと調査を行ってくれない場合、トラブルが起こることがあります。後から欠陥が見つかることや、口頭で伝えられていたより多くの修繕費がかかったりするケースもあります。ひどい場合は、資金計画の見落としで、贈与税などがかかってしまったり、所有権などの権利関係でもめることになってしまいます。
基本的チェック事項は漏らさずチェックしてくれる業者に売却を依頼することが、トラブル防止の第一歩です。